糸しい世界
(medium & we)
solo exhibition
@SKLo 2021
草木で染めた数百色の絹糸を一糸一糸選びながら経糸として織機に配し、一糸一糸選びながら緯糸として織っていく。そうしてできる一枚の布を寸分の歪みなくパネルに張り上げる。そこには具体的な何かが描かれているわけでもなく、またそれは彼の空想や無意識の特異さを伝えるための何かでもない。全ての糸と糸は等しく交差し、視線はいつしかその関係性の結び目の中へと迷い込んでいく。
黒田恭章は武蔵野美術大学、大学院で染織を学び、2010年代の半ばから都内のアトリエにて制作を始めました。学生時代から現在まで、織物の楽しさに没頭すると同時に、織ることの意味について思索を深めてきました。彼の制作論は「text(texere) = to weave」という文章と織物の語源的関係が起点であり、人類史において「言語」が人々の世界認識のあり方を形成してきたという事実に対して、その根源にある「織ること」が可能にする世界認識のあり方を実践するものです。
本展では、新作「私たちの素地」と、その素地に住まう私たちの感覚として切り取られた「日時」をタイトルとする小作品のシリーズを展覧いたします。作品と作家の思索とを往復しながら、私たちが今生きているこの世界について、またこの世界における私たち自身について考えてみる機会になったなら幸いです。 (主催者文章より抜粋)
私たちの素地 2b, 2a (our matrix 2b, 2a)  
each 100 x 100cm
6月30日18時22分 (June 30, 18:22)  
18 x 23cm
9月5日11時13分 (September 5, 11:13)  
23 x 15.4cm
10月17日13時29分 (October 17, 13:29)  
18 x 29cm
11月1日10時2分 (November 1, 10:02)  
20 x 15cm
私たちの素地 3 (our matrix 3)  
89.4 x 145.5cm
私たちの素地 1 (our matrix 1)  
106 x 99.8cm